ポルシェ911カレラは、世界で最もアイコニックなスポーツカーのひとつです。しかし「911」や「カレラ」という名称が、どのような背景や意味を持つのかを正確に説明できる人は意外と少ないものです。本記事では、その由来を歴史的背景・言語的ルーツ・文化的影響の3つの視点から詳しく解説します。
「911」の由来
ポルシェ356の後継機となる初代911は、1963年のフランクフルトモーターショーで発表されました。当初の開発コードは「901」。しかし、フランスの自動車メーカー「プジョー」が「中央の数字が0である3桁の車名」の商標権を保有しており(例:205、403など)、商標トラブルを避けるため「901」の「0」を「1」に変更し、「911」という名称が採用されました。
発売時点では、「911」という数字自体に特別な意味はありませんが、デザイン上・発音上のバランスも良く、印象的かつ記憶しやすい名称として世界的に浸透しました。
「カレラ」の由来
「カレラ(Carrera)」はスペイン語で「レース」や「競走」を意味します。これは1950年代に開催された伝説的な公道レース「カレラ・パナメリカーナ・メヒコ(Carrera Panamericana México)」に由来します。このレースはメキシコを南北に縦断する、非常に過酷かつ危険な耐久公道レースで、世界中の自動車メーカーが挑戦しました。
ポルシェは1953年にポルシェ356でこのレースに参戦し、排気量1.5リッター以下クラスで優勝。この栄誉を記念して、以後スポーツ志向モデルの名称に「Carrera」が使われるようになっていきました。
911カレラRS 2.7の登場
1973年、911で初めて「カレラ」の名が使用されたのは911カレラRS 2.7でした(通称、ナナサンカレラ)。レースホモロゲーション獲得のために開発された特別仕様で、時代を象徴する名車となりました。
なぜスペイン語で「Carrera」が「レース」を意味するのか
「Carrera」という単語は、ラテン語の carraria(「荷車の通る道」の意)に由来し、さらに遡ると carrus(車輪付きの乗り物)にたどり着きます。スペイン語では中世の時代から「道」「進路」を意味する用法があり、それが転じて「走る」「競走」や「レース」という意味に発展しました。つまり、もともとは「車が走る道」から「その道を使って競い合うこと」へと意味が変化したのです。
文化的・ブランド的な意味合い
ポルシェにとって「カレラ」は単なる車名ではなく、レーシングDNAの象徴です。モータースポーツで培われた技術や情熱を市販車に注ぎ込むというブランド哲学を体現する言葉であり、現時点でポルシェの象徴である911にみに許された「カレラ」という名称は、今後も長く歴史に引き継がれていくのではないでしょうか。
その他ポルシェ車種名の意味や特徴
名称 | 意味・象徴 |
---|---|
GTS | Gran Turismo Sport(長距離走行性能とスポーツ性を両立した仕様) |
RS | RennSport(ドイツ語で「レーススポーツ」、サーキット志向モデル) |
RSR | RennSport Rennwagen(純レーシングマシン仕様) |
スピードスター | 軽量化・低いフロントガラス・オープントップのドライビング特化モデル |
タルガ | タルガ・フローリオ(シチリア島の伝説的レース)由来、着脱式ルーフ構造。タルガの語源は「盾」 |
ボクスター | 水平対向エンジン(Boxer)+ロードスター(Roadster)の造語。オープンカー |
カイエン | カイエンペッパー(スパイス)から、刺激的な走りを象徴。大型SUVモデル |
マカン | インドネシア語で「虎」、俊敏性とパワーを象徴。コンパクトSUV |
パナメーラ | カレラ・パナメリカーナに由来、長距離高速性能を象徴。4ドアラグジュアリーセダン |
タイカン | トルコ語系由来で「若い活発な馬」、ポルシェのエンブレムと馬のモチーフを反映。電気自動車 |
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